分散分析と実験計画法
分散分析と実験計画法について記載します。
フィッシャーの3原則
フィッシャーの3原則とは、実験計画法の原則として次の3つの原則に従うことです。
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反復・繰り返し
同じ条件で、複数回実験を繰り返します。
1回の実験を1つの群として、誤差を評価します。 -
無作為化・ランダム
順番・時間などを変更して実験します。
系統誤差(運動しているしていいないや薬を飲んだ飲んでないなど条件の違う誤差)が発生しないようにします。 -
局所管理
実施環境を変更して実験します。
系統誤差が発生するかを確認します。
一元配置
一元配置とは、1つの要因で結果を与えたかのことです。
二元配置
二元配置とは、2つの要因で結果を与えたかのことです。
分散分析表
分散分析表とは、分散を基にした分析を行える表です。
例えば、4つの群がある次の一元配置表があった場合の分散分析表を考えます。
表から平方和、自由度、平均平方、F値、P値を求めていきます。
群 | 1 | 2 | 3 | 4 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
データ1 | 8 | 9 | 10 | 12 | - |
データ2 | 9 | 14 | 6 | 10 | - |
データ3 | - | 4 | - | 8 | - |
平均 | 8.5 | 9 | 8 | 10 | 9 |
群間の平方和の求め方は、群毎に「群のデータ数(群の平均-平均)2」を行って総和した値です。
群のデータ数は「n」として1つ目は「8」と「9」の2つですので2となります。
2(8.5-9)2+3(9-9)2+2(8-9)2+3(10-9)2=「14」と求められて数式は次のように表します。
残差の平方和の求め方は、「(群の値-群の平均)2」を行って総和した値です。
(8-8.5)2+(9-8.5)2+(9-9)2+(14-9)2+(4-9)2+(10-8)2+(6-8)2+(12-10)2+(10-10)2+(8-10)2=「66.5」と求められて数式は次のように表します。
群間の自由度は、群数-平均となりますので、「4-1=3」となります。
残差の自由度は、群の値の総数-群数となりますので、「10-4=6」となります。
平均平方は群と残差どちらも同じで、平方和/自由度で求めれます。
そのため、群では「14/3=4.67」で残差では「66.5/6=11.1」となります。
群間のF値は、平均平方/残差の平均平方として「4.67/11.1=0.42」です。
P値は、付表であるF分布のパーセント表からF(群間の自由度,残差の自由度)の上側確率を求めます。
総変動を求める場合は、(群間の平方和+残差の平方和)/(群間の自由度,残差の自由度)としても求めることもできます。
要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F値 | P値 |
---|---|---|---|---|---|
群間 | 14 | 3 | 4.67 | 0.42 | 5 |
残差 | 66.5 | 6 | 11.1 | - | - |
交互作用
交互作用とは、2つの要因が組み合わされたときの相乗効果です。
ブロック化
系統誤差(実験を行う時間帯や場所を均等にした条件)を受けないようにしたことです。
乱塊法
複数をブロック化してブロック内で無作為に確認する手法です。
実施要員計画
実施要員計画とは、ある因子が影響があるか実験確認するための計画です。
一部実施要員計画
一部実施要員計画とは、要因配置計画の一部を実施する計画です。
直行配列
直行配列とは、要因を次の直行表にしたものです。
ブロック計画
ブロックを用いた計画です。